후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
四時二十分菅沼北方の千四十米の峰より右に下り、十五分にして水を得て野営。
湯元の耕地を離れて、金精峠の登りにかかるあたりの森林は、いつ見ても美しい。一面に青青と繁った短い笹を下草にして樺や榛の類などの交った栂の深い林である。それは勿論木立がそれ程珍らしい訳ではない、秩父あたりにもこれ位の森林はいくらもある。然しこのなよやかな笹原は容易に他所で見られないものである。如何にも気持がよい。人工を加えたもののように見えて全く自然の儘なのである。菖蒲ヶ浜の養魚場の建物の附近も、元は殆どこの通りであったが、今は半以上も天然の面影を失ってしまった。
笹が少なくなって石楠や御前橘、岩鏡、苔桃などが下草に交って現れる。左に近く笈吊岩の絶壁を仰ぐようになると直ぐ峠の頂上である。十日程前には紅葉が盛りであったという。上州側は木立に遮られて眺望はないが、ふり返るときらきらと光る湯ノ湖を前に、男体山が東の空を領して一幅の画を展開する。
暫く休んで国境の切明けを北に向って登り初める。雑木の茂った所や笹の深い所もあるが、大して困難を感ずる程ではない。峠から一時間余りを費して、温泉ヶ岳の三角点に達することを得た。