후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
て来たのは押鮨に使うような四角な木箱で、ぎっしり蓋がしてある。怪しみながら蓋を開けると、思いも寄らずこれが松茸飯であったのには全く驚喜して了った。それに主人は留守であったが、駒ヶ岳へ登る路も確に有ることが知れたのは更に嬉しかった。主婦は囲炉裡の自在鍵に懸けてある鉄瓶の下に小枝を折り添えて、湯を沸かしながら、此処から二里ほど行くと戸台という処がある、家は二軒しかないが、その一軒の小松伝弥という人を頼んで泊めて貰いなさい、そしてよく路を聞いて登れば、一人でも心配することはあるまいと、親切に教えてくれた。当時私の持って居た輯製二十万の図に拠れば、黒川は駒ヶ岳から発源しないのみならず、其間に山脈がある、それを踰えて更に谷に下り、初めて駒ヶ岳に取り付けるようになっている。それが私をして行く先々で、駒ヶ岳への路を聞き質さなければ止ましめなかった原因であった。今から見れば嗤う可きことであるに相違ない。黒川の部落を過ぎれば全くの山路で、戸台までは人家が無いとのことに、充分に雨の支度をして午後二時頃に此処を出発し、降りしきる雨を衝いて黒川の右岸を辿り、戸台に着いたのは四時少し前であった。