후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
此処から瞰下すと左斜に十五、六間離れて第一瀑が全身を露わしている。十余丈と測られた大瀑布も、空恐ろしき迄に荒らかな周囲の物象に威嚇されて極度に緊張した視神経を刺激するには、余りに繊細であった。動揺する瀑の水よりも、其下に湛えた藍色の水に恐る可き秘密の力が籠っている。私達は底光りのする青黒い淵を覗いて今更のように怖れ戦いた。
漏斗の縁は六尺許りの懸崖に取り巻かれているが、磨き立てたように滑らかな壁面には、根を下すことが不可能なのであろう、小さな虫の宿となるべき一本の草とても無い、私達がおずおず縁を廻り始めた頃には、長次郎も源次郎も既に向う側へ廻って、崖に取り付く足場を択んでいた。金作は私達の後から気を付けて呉れる。どうかすると上から小砂利が漏斗の内壁にザラザラと落ちて来て、其上を蹈むとするりと滑る、ハッと胸騒ぎがする、蟻地獄の縁を匐い廻る小虫の惨めさを思い出す。全身の力を十指に籠めて軽く足を内壁にあてがいながら辛く廻り終ると、崖が急にのり出して私達を突き飛そうとする。また細引が横に張られた、夫に縋って深山榛の繁った崖の上に出た時には、皆吻と息した。