후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
劒沢の岩屋へ出るのが道も楽で近く、二時間半もあれば行かれるであろう、惜しいことをしたものだなぞと、身一つを辛くも此処まで運んで来ながら、喉元過ぎて熱さを忘れた私達は早やそんな贅沢なことを考えていた。空は何時の間にかすっかり曇って、薄紫の霧が小窓の方からのろのろ匐い下りて来る、其中を縫って高く飛鳴する岩燕の姿が影絵の如く消えたり顕れたりする。
此小窓裏の雪渓は表側に較べると広さは其三分の一程もあるかなしである、其上両岸の峭壁は殆んど一列の屏風の如くであるから、打ち開いた壮大の感には乏しいが、荒怪な気に充ちている。雪渓の下には幾所にか瀑布があるらしく、瓢箪の腰のようにくびれた隘い口から箒の掃き目のような痕を印した雪の瀑をドッとなだれ落している所が此処かしこにある。其一つだ、堆雪が刳れて岩壁との間に六、七尺の隙間が作られ、其処から臼を挽くような音と共に一団の霧がむらむらと舞い上るのを見た。下へ廻って覗き込むと暗い奥の方にたぎる水音が聞えて、冷い風が習々と顔を撫でる。雪の厚さは二丈余りもあろう、夫が三、四尺宛層をなして堆積している、層と層との間には土や小石の混った幅二、三寸の汚れた雪の縞が織り込まれている。