일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)

山の憶い出 上

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면

아오조라 문고

昼食は飯を炊くのが面倒だから、持合せの麦粉を頬張って水を飲んで済した。両岸に時々絶壁が現われて来たので、もう岸に登っても好い頃と注意しながら河原を辿って行く。果して左岸に道があった。斯うなれば心配はないのでぶらぶら遊びながら行く。竹藪が現れる、畑が出て来る。二十町も来た頃には中津川村の人家の前に出てしまった。三時少し前である。梓山から五里と称せられているが、半里位懸値があるらしい。

十五、六戸の人家が些かの平地に寂しく散らばっている所は、何処の山村も同じであるが、此処は何となく潤いのない、丁度雁坂峠の下の広瀬といったような村で、私が勝手に想像していた美しい山村の面影は、何処を探しても見られなかった。然し私は自然の賜物が初めから此山村の人達にのみ薄かったとはどうしても思われぬ。彼等の祖先が何時の世にか争闘と迫害との絶えざる平原を後にして、此山奥に最後の隠家を見出した時、其処には生存競争場裡の敗者に向って、平和と安楽とを与うるに充分なる自然の同情があったに相違ない。不肖なる彼等の子孫は此同情に裏切りして空しく逸楽に耽った。彼等が桃源の夢から覚めた頃には、自然が既に彼等を見棄てた時であった。