후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
左の方の焼畑の中に小屋が一軒あって、蕎麦を蒔いていた男が手を止めて私を見送った。道が急に下って川を渡ると又登りになる。このあたりの景色はそう捨てたものではない。河に下りては山の鼻に登って、二、三度同じような事を繰り返すと、道は河の中に通じた儘両岸をいくら物色しても更に見当らない。中津川から標木のあった山の鼻まで十五町、其処から二十町は来たろう。河の中を一町も下って見たが、両岸は四、五丈の絶壁で、水の深さも股まである。これが急流ならば危険であるが流は緩かである。再び引き返して右岸の道を登って行くと、これは切畑への路であった。時は五時に間もないので思い切って先き見た小屋に泊り、明日大峠を越えて白井差に行こうと思案して、元の路を引き返して小屋に着いたのは六時少し過ぎであった。河の中を今一町も下ると路に出るのだったと主人が話した。「百両もかけりゃ山へ路がつけられるのだが、村が貧乏だから如何もならねえ」。全く其通りかも知れぬ。
主人の名は山中房吉、二、三年はまだ此処で畑を作っていると話した。村では馬鈴薯が常食だそうで、今夜も煮たもの、焼いたもの、胡麻あえ、串にさして焼いて味噌をつけたもの、という風にくさぐさ御馳走になった。