후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
私達は勿論、流石の長次郎もこれには驚嘆の声を洩らした。あの勢で下ったなら恐らく十分ならずして劒沢に達するであろう。後で聞くと雪渓を上下したのは今度の旅行が初めてであるという。滑稽であったのは、長次郎が一足余分にあったカンジキを草鞋切れの紐を拾って無雑作に絡げつけ、よたよたしながら下りたことである。長次郎がカンジキを穿くのさえ滑稽の感があるのに、その風体が可笑しいので皆笑った、自分でも笑っていたようだ。私達は初の間はよたよた下りて行く長次郎にさえ続けなかった。しかし此四日間一日として雪渓の登降を欠かさなかった練習の効果は漸く顕れて来た、面白いように駆けられる。中にも南日君の如きは脱兎の勢である。途中大きな断裂が雪渓を半ば横切って、斜に奥へ八尺許の口を開いている下の縁に佇んで、雪から滴る水を飲みながら一息入れる。純白なる雪の断面が水浅黄に冴えた色の美しさ。此裂目はいつも七月下旬になると深く全渓を横断して顕われる為に、少なからず登降を阻碍するそうであるが、今年は雪が多いのだと長次郎が説明する。少し下ると私は紐が切れたのでカンジキを手に持って駆け下りた、三、四回滑って両足を宙に投げ出したが、手に提げたカンジキが其度毎にグサと雪に刺さるので、苦もなく止まることが出来た。