후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
丁度そのあたりで雪渓が二に岐れている。左の渓の入口に近い右岸から、白い烟が雲にも紛れず濛々と立ち昇っていた。それが仙人ノ湯である。泊るにはまだ少し早いし、先を急ぐ必要があるので、惜しくも夫を見捨てて右の本谷に入った。朗かな駒鳥の鳴声が沈滞した谷の空気を振わして、爽快な音波を鼓膜に伝える。夫に和して大瑠璃の囀りが近くの木の間から洩れ聞えた。この四、五日荒っぽい河音にいじけ切った耳には、何と微妙な調であったろう。暫くして渓が又二分する。左を取って行く間もなく又二つに岐れた。今度は右を取った。眺望がないので足の進みもおのずと早い。傾斜が次第に緩くなって、雪が絶えると深山榛、七竈、白樺などの生えた草地に、紅花イチゴ、日光黄菅などが咲いていた。この草地は尾根の上まで続いて、其処は広い平になっている。木立もあるが森林という程ではなかった。四時十分。左に少し行くと仙人ノ池が叢に埋もれた一面の古鏡のように光っている、野営には誂向きの場所だ。其畔りに天幕を張り小屋を掛けて、火にあたりながら夕飯を済ますと、七時頃に大雨が降って来た。連日の疲れで今夜はぐっすりとよく寝た。