후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
サラッ、サラサラと風なきに散る木の葉の音が、満山の寂寞を破って、思わず耳を欹てながら暗を透して其方を覗き込ませる。実に静かな夜だ、沈黙そのものだ。恐らく夏の高山に野宿した経験のある人でも、斯る静けさを体得しえなかったであろう。
十六日。午前四時二十分塩山出発、十一時三ノ瀬。午後十二時二十分出発、二時三十分唐松尾頂上。三時出発、四時御殿岩頂上、四時五十分将監峠野営地着。
明る朝まだ暗い中に三人とも起きた。綿入れの人は例の如く飯盒を提げて米を研ぎに行く、洋服の人が蝋燭を点して周りを紙で囲いながら後に跟いてお伴する。鬚男は小屋に留って消えかかった火を焚き付ける。可なり集められた燃料も昨夜の寒さに大方焚き尽されて、辛くも炊事にことを欠かぬ程しか残っていなかった。
爽かな然し冷い朝の空気は、体を透き通して一切の不純物を浄化して行くように思われる。頭の中がはっきりして清々と好い心持ちだ。奥深い栂の密林にも曙の色が華やかに沁み込んで、高く仰ぐ落葉松の梢を旭の光があかあかと照す頃、懐しい小屋に別を告げて三人は昨日の原へ出た。
原は霜で真白である。広い熊笹の葉と葉とが重なり合ったり抱き合ったりしたまま凍み付いている。