후리가나로 읽는 일본 고전
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ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山の憶い出 上(ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 284,014자 · 565화면
谷間の秋を此一本に残し留めたらしい槭の若木が其光を真紅に照り返している。桂であろう、黄色い落葉が灰色の岩の上に鮮かな斑紋を染め出す。
終に総てが闇に包まれる時が来た。急傾斜な谷を余程下りなければ水を得られる的もなかった三人は、寂しい夜道を辿って一つの小山の登りに懸った。飢渇に疲れた体には夫を越すのが容易でない。鬚男がビスケットを出して洋服の人に渡した。いくら噛んでも飲み込めないというので、今度は梅干を渡してやる。それで漸く喉を通ったという仕末である。
片破月が時々木の間を洩れて、覚束ない光を投げるが少しも頼りにはならない。不知案内の暗の山路を足探りに探って登ったことも下ったことも三人は未だ経験していなかった。足で分らない時は手で探って蹈み固めた路らしい処を覓めて足を運ぶのが牛の歩みよりも遅い。余程下ったろうと思う頃遠くに一点の火光が現われた時には、稍元気付いた。
「オイ三峰だろうか、夫にしちゃ方角が変だな」
「三峰じゃないらしいな、大血川の方だろうよ」
翌日になって之は大日向の太陽寺の灯火であることが分った。
間もなく二人は右の谷間に火影を認めたと言って、鬚男に声を懸けた。