후리가나로 읽는 일본 고전
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めいあん
明暗
夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면
彼はなおの事急き込んだ。
「早く開けろ、おれだ」
お延は「あらッ」と叫んだ。
「あなただったの。御免遊ばせ」
ごとごと云わしてを外した後で夫を内へ入れた彼女はいつもより少し蒼い顔をしていた。彼はすぐ玄関から茶の間へ通り抜けた。
茶の間はいつもの通りきちんと片づいていた。鉄瓶が約束通り鳴っていた。長火鉢の前には、例によって厚いメリンスの座蒲団が、彼の帰りを待ち受けるごとくに敷かれてあった。お延の坐りつけたその向には、彼女の座蒲団のほかに、女持の硯箱が出してあった。青貝で梅の花を散らした螺鈿の葢は傍へ取り除けられて、梨地の中に篏め込んだ小さな硯がつやつやと濡れていた。持主が急いで座を立った証拠に、細い筆の穂先が、巻紙の上へ墨を滲ませて、七八寸書きかけた手紙の末を汚していた。
戸締りをして夫の後から入ってきたお延は寝巻の上へ平生着の羽織を引っかけたままそこへぺたりと坐った。
「どうもすみません」
津田は眼を上げて柱時計を見た。時計は今十一時を打ったばかりのところであった。結婚後彼がこのくらいな刻限に帰ったのは、例外にしたところで、けっして始めてではなかった。