후리가나로 읽는 일본 고전
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めいあん
明暗
夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면
百七十一
押し出したり引き戻したり二三度するうちに、脱線はようやく片づいた。
「また後れちまったよ、大将、お蔭で」
「誰のお蔭でさ」
「軽便のお蔭でさ。だがこんな事でもなくっちゃ眠くっていけねえや」
「せっかく遊びに来た甲斐がないだろう」
「全くだ」
津田は後れた時間を案じながら、教えられた停車場で、この元気の好い老人と別れて、一人薄暮の空気の中に出た。
百七十一
靄とも夜の色とも片づかないものの中にぼんやり描き出された町の様はまるで寂寞たる夢であった。自分の四辺にちらちらする弱い電灯の光と、その光の届かない先に横わる大きな闇の姿を見較べた時の津田にはたしかに夢という感じが起った。
「おれは今この夢見たようなものの続きを辿ろうとしている。東京を立つ前から、もっと几帳面に云えば、吉川夫人にこの温泉行を勧められない前から、いやもっと深く突き込んで云えば、お延と結婚する前から、――それでもまだ云い足りない、実は突然清子に背中を向けられたその刹那から、自分はもうすでにこの夢のようなものに祟られているのだ。そうして今ちょうどその夢を追かけようとしている途中なのだ。顧みると過去から持ち越したこの一条の夢が、これから目的地へ着くと同時に、からりと覚めるのかしら。