후리가나로 읽는 일본 고전
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めいあん
明暗
夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면
八十一
取次に出たお時に、「ちょっと奥さんに」という声が聞こえた。お延はその声の主を判断しようとして首を傾けた。
八十一
袖を口へ当ててくすくす笑いながら茶の間へ駈け込んで来たお時は、容易に客の名を云わなかった。彼女はただおかしさを噛み殺そうとして、お延の前で悶え苦しんだ。わずか「小林」という言葉を口へ出すのでさえよほど手間取った。
この不時の訪問者をどう取り扱っていいか、お延は解らなかった。厚い帯を締めかけているので、自分がすぐ玄関へ出る訳に行かなかった。といって、掛取でも待たせておくように、いつまでも彼をそこに立たせるのも不作法であった。姿見の前に立ち竦んだ彼女は当惑の眉を寄せた。仕方がないので、今出がけだから、ゆっくり会ってはいられないがとわざわざ断らした後で、彼を座敷へ上げた。しかし会って見ると、満更知らない顔でもないので、用だけ聴いてすぐ帰って貰う事もできなかった。その上小林は斟酌だの遠慮だのを知らない点にかけて、たいていの人に引を取らないように、天から生みつけられた男であった。お延の時間が逼っているのを承知の癖に、彼は相手さえ悪い顔をしなければ、いつまで坐り込んでいても差支えないものと独りで合点しているらしかった。