후리가나로 읽는 일본 고전
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めいあん
明暗
夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면
三十二
すでに所有権のついてるものに手を出すのは泥棒じゃないか。そういう訳で義理堅い昔の男はけっして惚れなかったね。もっとも女はたしかに惚れたよ。現にそこで松茸飯を食ってるお朝なぞも実はおれに惚れたのさ。しかしおれの方じゃかつて彼女を愛した覚がない」
「どうでもいいから、もう好い加減にして御飯になさい」
真事を寝かしつけに行ったお金さんを呼び返した叔母は、彼女にいいつけて、みんなの茶碗に飯をよそわせた。津田は仕方なしに、ひとり下味い食麺麭をにちゃにちゃ噛んだ。
三十二
食後の話はもうはずまなかった。と云って、別にしんみりした方面へ落ちて行くでもなかった。人々の興味を共通に支配する題目の柱が折れた時のように、彼らはてんでんばらばらに口を聞いた後で、誰もそれを会話の中心に纏めようと努力するもののないのに気が付いた。
餉台の上に両肱を突いた叔父が酔後の欠を続けざまに二つした。叔母が下女を呼んで残物を勝手へ運ばした。先刻から重苦しい空気の影響を少しずつ感じていた津田の胸に、今夜聞いた叔父の言葉が、月の面を過ぎる浮雲のように、時々薄い陰を投げた。そのたびに他人から見ると、麦酒の泡と共に消えてしまうべきはずの言葉を、津田はかえって意味ありげに自分で追いかけて見たり、また自分で追い戻して見たりした。