후리가나로 읽는 일본 고전
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めいあん
明暗
夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면
七十八
「ええあの外套を取りにいらっしゃいました」
夫から何にも聞かされていないお延に、この言葉はまるで通じなかった。
「外套? 誰の外套?」
周密なお延はいろいろな問をお時にかけて、小林の意味を知ろうとした。けれどもそれは全くの徒労であった。お延が訊けば訊くほど、お時が答えれば答えるほど、二人は迷宮に入るだけであった。しまいに自分達より小林の方が変だという事に気のついた二人は、声を出して笑った。津田の時々使うノンセンスと云う英語がお延の記憶に蘇生えった。「小林とノンセンス」こう結びつけて考えると、お延はたまらなくおかしくなった。発作のように込み上げてくる滑稽感に遠慮なく自己を託した彼女は、電車の中から持ち越して帰って来た、気がかりな宿題を、しばらく忘れていた。
七十八
お延はその晩京都にいる自分の両親へ宛てて手紙を書いた。一昨日も昨日も書きかけて止めにしたその音信を、今日は是非とも片づけてしまわなければならないと思い立った彼女の頭の中には、けっして両親の事ばかり働いているのではなかった。
彼女は落ちつけなかった。不安から逃れようとする彼女には注意を一つ所に集める必要があった。