후리가나로 읽는 일본 고전
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めいあん
明暗
夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면
「今時分そんなものを出してどうするんだい」
お延は檜扇模様の丸帯の端を膝の上に載せたまま、遠くから津田を見やった。
「ただ出して見たのよ。あたしこの帯まだ一遍も締めた事がないんですもの」
「それで今度その服装で芝居に出かけようと云うのかね」
津田の言葉には皮肉に伴う或冷やかさがあった。お延は何にも答えずに下を向いた。そうしていつもする通り黒い眉をぴくりと動かして見せた。彼女に特異なこの所作は時として変に津田の心を唆かすと共に、時として妙に彼の気持を悪くさせた。彼は黙って縁側へ出て厠の戸を開けた。それからまた二階へ上がろうとした。すると今度は細君の方から彼を呼びとめた。
「あなた、あなた」
同時に彼女は立って来た。そうして彼の前を塞ぐようにして訊いた。
「何か御用なの」
彼の用事は今の彼にとって細君の帯よりも長襦袢よりもむしろ大事なものであった。
「御父さんからまだ手紙は来なかったかね」
「いいえ来ればいつもの通り御机の上に載せておきますわ」
津田はその予期した手紙が机の上に載っていなかったから、わざわざ下りて来たのであった。
「郵便函の中を探させましょうか」
「来れば書留だから、郵便函の中へ投げ込んで行くはずはないよ」