후리가나로 읽는 일본 고전
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めいあん
明暗
夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면
それでも彼女は容易に起き上らなかった。昨夕の不首尾を償うためか、自分の知らない間に起きてくれたお時の足音が、先刻から台所で聞こえるのを好い事にして、彼女はいつまでも肌触りの暖かい夜具の中に包まれていた。
そのうち眼を開けた瞬間に感じた、すまないという彼女の心持がだんだん弛んで来た。彼女はいくら女だって、年に一度や二度このくらいの事をしても差支えなかろうと考え直すようになった。彼女の関節が楽々しだした。彼女はいつにない暢びりした気分で、結婚後始めて経験する事のできたこの自由をありがたく味わった。これも畢竟夫が留守のお蔭だと気のついた時、彼女は当分一人になった今の自分を、むしろ祝福したいくらいに思った。そうして毎日夫と寝起を共にしていながら、つい心にもとめず、今日まで見過ごしてきた窮屈というものが、彼女にとって存外重い負担であったのに驚ろかされた。しかし偶発的に起ったこの瞬間の覚醒は無論長く続かなかった。いったん解放された自由の眼で、やきもきした昨夕の自分を嘲けるように眺めた彼女が床を離れた時は、もうすでに違った気分に支配されていた。
彼女は主婦としていつもやる通りの義務を遅いながら綺麗に片づけた。