후리가나로 읽는 일본 고전
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めいあん
明暗
夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면
彼はそれを得意にしていた。道楽の修業を積んで始めてそういう境界に達せられるもののように考えていた。人世観という厳めしい名をつけて然るべきものを、もし彼がもっているとすれば、それは取りも直さず、物事に生温く触れて行く事であった。微笑して過ぎる事であった。何にも執着しない事であった。呑気に、ずぼらに、淡泊に、鷹揚に、善良に、世の中を歩いて行く事であった。それが彼のいわゆる通であった。金に不自由のない彼は、今までそれだけで押し通して来た。またどこへ行っても不足を感じなかった。この好成蹟がますます彼を楽天的にした。誰からでも好かれているという自信をもった彼は、無論お秀からも好かれているに違ないと思い込んでいた。そうしてそれは間違でも何でもなかった。実際彼はお秀から嫌われていなかったのである。
器量望みで貰われたお秀は、堀の所へ片づいてから始めて夫の性質を知った。放蕩の酒で臓腑を洗濯されたような彼の趣もようやく解する事ができた。こんなに拘泥の少ない男が、また何の必要があって、是非自分を貰いたいなどと、真面目に云い出したものだろうかという不審さえ、すぐうやむやのうちに葬られてしまった。