일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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めいあん

明暗

夏目 漱石

夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면

아오조라 문고

お延はなかなか来なかった。お延以上に待たれる吉川夫人は固より姿を見せなかった。津田は面白くなかった。先刻から近くで誰かがやっている、彼の最も嫌な謡の声が、不快に彼の耳を刺戟した。彼の記憶にある謡曲指南という細長い看板が急に思い出された。それは洗濯屋の筋向うに当る二階建の家であった。二階が稽古をする座敷にでもなっていると見えて、距離の割に声の方がむやみに大きく響いた。他が勝手にやっているものを止めさせる権利をどこにも見出し得ない彼は、彼の不平をどうする事もできなかった。彼はただ早く退院したいと思うだけであった。

柳の木の後にある赤い煉瓦造りの倉に、山形の下に一を引いた屋号のような紋が付いていて、その左右に何のためとも解らない、大きな折釘に似たものが壁の中から突き出している所を、津田が見るとも見ないとも片のつかない眼で、ぼんやり眺めていた時、遠慮のない足音が急に聞こえて、誰かが階子段を、どしどし上って来た。津田はおやと思った。この足音の調子から、その主がもう七分通り、彼の頭の中では推定されていた。

彼の予覚はすぐ事実になった。彼が室の入口に眼を転ずると、ほとんどおッつかッつに、小林は貰い立ての外套を着たままつかつか入って来た。