후리가나로 읽는 일본 고전
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めいあん
明暗
夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면
「君から僕にこれを伝えた余裕は、再びこれを君に返せとは云わないよ。僕よりもっと余裕の足りない方へ順送りに送れと命令するんだよ。余裕は水のようなものさ。高い方から低い方へは流れるが、下から上へは逆行しないよ」
津田はほぼ小林の言葉を、意解する事ができた。しかし事解する事はできなかった。したがって半醒半酔のような落ちつきのない状態に陥った。そこへ小林の次の挨拶がどさどさと侵入して来た。
「僕は余裕の前に頭を下げるよ、僕の矛盾を承認するよ、君の詭弁を首肯するよ。何でも構わないよ。礼を云うよ、感謝するよ」
彼は突然ぽたぽたと涙を落し始めた。この急劇な変化が、少し驚ろいている津田を一層不安にした。せんだっての晩手古摺らされた酒場の光景を思い出さざるを得なくなった彼は、眉をひそめると共に、相手を利用するのは今だという事に気がついた。
「僕が何で感謝なんぞ予期するものかね、君に対して。君こそ昔を忘れているんだよ。僕の方が昔のままでしている事を、君はみんな逆に解釈するから、交際がますます面倒になるんじゃないか。例えばだね、君がこの間僕の留守へ外套を取りに行って、そのついでに何か妻に云ったという事も――」