후리가나로 읽는 일본 고전
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めいあん
明暗
夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면
「ひどく降って来たね。この様子じゃまた軽便の路が壊れやしないかね」
彼は仕方なしに津田の耳へも入るような大きな声を出してこう云った。
「なに大丈夫だよ。なんぼ名前が軽便だって、そう軽便に壊れられた日にゃ乗るものが災難だあね」
これが相手の答であった。相手というのは羅紗の道行を着た六十恰好の爺さんであった。頭には唐物屋を探しても見当りそうもない変な鍔なしの帽子を被っていた。煙草入だの、唐桟の小片だの、古代更紗だの、そんなものを器用にきちんと並べ立てて見世を張る袋物屋へでも行って、わざわざ注文しなければ、とうてい頭へ載せる事のできそうもないその帽子の主人は、彼の言葉遣いで東京生れの証拠を充分に挙げていた。津田は服装に似合わない思いのほか濶達なこの爺さんの元気に驚ろくと同時に、どっちかというと、ベランメーに接近した彼の口の利き方にも意外を呼んだ。
この挨拶のうちに偶然使用された軽便という語は、津田にとってたしかに一種の暗示であった。彼は午後の何時間かをその軽便に揺られる転地者であった。ことによると同じ方角へ遊びに行く連中かも知れないと思った津田の耳は、彼らの談話に対して急に鋭敏になった。