후리가나로 읽는 일본 고전
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めいあん
明暗
夏目 漱石의 明暗(めいあん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 322,590자 · 645화면
「ここが好い。ここへ入ろう」
「僕は厭だよ」
「君の気に入りそうな上等の宅はここいらにないんだから、ここで我慢しようじゃないか」
「僕は病気だよ」
「構わん、病気の方は僕が受け合ってやるから、心配するな」
「冗談云うな。厭だよ」
「細君には僕が弁解してやるからいいだろう」
面倒になった津田は、小林をそこへ置き去りにしたまま、さっさと行こうとした。すると彼とすれすれに歩を移して来た小林が、少し改まった口調で追究した。
「そんなに厭か、僕といっしょに酒を飲むのは」
実際そんなに厭であった津田は、この言葉を聞くとすぐとまった。そうして自分の傾向とはまるで反対な決断を外部へ現わした。
「じゃ飲もう」
二人はすぐ明るい硝子戸を引いて中へ入った。客は彼らのほかに五六人いたぎりであったが、店があまり広くないので、比較的込み合っているように見えた。割合楽に席の取れそうな片隅を択んで、差し向いに腰をおろした二人は、通した注文の来る間、多少物珍らしそうな眼を周囲へ向けた。
服装から見た彼らの相客中に、社会的地位のありそうなものは一人もなかった。湯帰りと見えて、縞の半纏の肩へ濡れ手拭を掛けたのだの、木綿物に角帯を締めて、わざとらしく平打の羽織の紐の真中へ擬物の翡翠を通したのだのはむしろ上等の部であった。