후리가나로 읽는 일본 고전
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
吉川 英治의 随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 141,786자 · 278화면
伊織への書状
者のうちには、面白半分にやって来て、下駄ばきや靴のまま土壇の上にのぼる人間もありまするで、てまえが側から、降りろっ、この地下のお方を汝らが踏んづけると、汝らの足が曲がるぞっ、一喝を喰らわせてやりまする。するとあわてて降りるものですから中には転ぶやつもありましてな。ハアアアアア愉快ですわい」
抜けかかっている大きな前歯を出して一郎翁は笑った。無礼な参拝者が転んだという話からまた、翁はこの塚に関わる次のような伝説を話し出した。
伊織への書状
一郎翁はこう話した。
「現在の碑は、御覧のとおり南に向いておりますが、昔は、すぐそこの街道へ向って、真正面に建っていた物で、附近の百姓どもは武蔵塚の前を馬で乗打すると、きっと落馬するといってひどく怖がっていました。士分の者でも馬から降りて通ったそうであります」
武蔵の碑に絡まる郷土的な伝説は、後にも話すが、小倉の碑にも種々伝えられている。碑に対して無礼を働くと落馬するとか、病気をするとかいう恐怖感は、要するに故人の遺風や人格に対する土民の崇敬が、擬神的な観念になって変形して来たものであろう。
次に、この墓碑の下に埋葬されたという武蔵の遺骸は、二天記の記載に依ると、本人の遺言に従って、死骸には甲冑を着せ、太刀を佩かせ、六具を纏うて厳めしく武装した身装で入棺したとのことである。