후리가나로 읽는 일본 고전
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
吉川 英治의 随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 141,786자 · 278화면
画にも運命のある話 ――流転不遇の三名画
いずれにせよ、この一書簡は、僅々数行の短文に過ぎないが、いろいろな面から考えて、近来、愉快な発見だった。しかも武蔵研究史料の上にも、従来の兵法に関する伝書的なものの無味乾燥に似たのとちがって、武蔵の風貌、心情など、当年の面影が脈々と汲みとれる所に尽きないおもしろさがある。こう観てくると、彼の遺墨中に、書簡だけが、極端に少ないということは、何としても、正確な彼の人間を知ろうという上には、いよいよ以て、致命的な欠陥である。――が、しいて望みを嘱すれば、将来にも、また、どこかの書塵の間から、ひょっこり、この手紙のような物が、現われたりしない限りもないなどと思ってみたりするが……さあどうであろうか。
画にも運命のある話
――流転不遇の三名画
落款も印章もないが、武蔵画の作品中、第一作であり、また秀潤な傑作といわれている六曲屏風一双の「蘆雁図」は、明治二十年頃までは、熊本の北岡邸にあって、たれもそれ程な名画とも、また、由緒あるものとも知らず、日常、室の一隅におかれ、ずいぶん酷い取扱いをうけていた物だといわれている。
それが、細川護立氏などの究明によって今日の保存を得たのは、ずっと後日のことで、細川家の膝下の熊本においてすら、明治頃には、武蔵の画に、さほどな関心も理解もなかったことが、この一事からも窺われよう。