후리가나로 읽는 일본 고전
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
吉川 英治의 随筆 宮本武蔵(ずいひつ みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 141,786자 · 278화면
それとまた、武蔵が、天正十二年の頃に生れたということがそもそも、すでに彼の素質に不遇を約束されていたような気もするのである。なぜならば、時流の大勢はもう赴くべき方向を決していたからである。槍一すじで一城一国を克ち獲る時代は、秀吉の出現と、その幕下の風雲児たちを最後として、小牧、関ヶ原以後においては、もうそういう野の逸駿は余り求められなくなっていたし、また躍り出る機会もすでになくなっていた。
だが眼のあたりに、秀吉やらそれを繞る無数の風雲児の成功を見ていた時代の青少年達は、多分に自分も英雄たらんとする熱意と夢に囚われていたろうと思われる。そしてもう武力よりは文化的知性を、破壊よりは建設を――より多く求めつつ推移していた時代の推移を誤認して、いつまでも室町期以後の戦乱と機会ばかり窺って、遂に過った者が、どれ程あったことかと想像されるのである。
それは寛永や慶安の頃になってもまだ、夢から覚めない無数の浪人があった程だから、大坂陣、関ヶ原役前の時人に、時流が見えなかったことは、むりもないのだった。武蔵なども、その弱冠の多血多恨な年頃には、やはり時流の誤認者のひとりだったかもしれないのである。