轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

07 第七分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,903 字 · 400 页

青空文庫

そう思えば、むしろ気のどくなのは明智方の人々、わけて可憐しいのは足軽小者の心根じゃ。――汝ら、医に志しながら、もののあわれも弁えぬほどなら、医者学問などは止めてしまえ」

と、一場の訓諭をうけたので、若い学徒は、たちまち師の大度に習って、織田家の士であろうと、明智兵であろうと、けじめなく収容にかかったのみか、焼け出された貧民街の怪我人や迷子まで容れて労った。

従って、白昼二ヵ所の合戦中、そこで織田明智の両勢が、互いにしのぎを削り、切っ先に火をふらして戦っていたが、ここの一宇の屋根の下では、敵味方枕をならべて、うめきの中に顔を見あい、しかもひとりの仁者の手から差別なく温かな手当をうけていたのである。

「おう、おう。これはこれは、よくこそこの火急の中になされておられる。足のふみ場もないが、さすがは道三どの、ありがたいところにお気づき下されたの」

これは負傷者ではない。日頃から親しい主の友人とみえる。門内へ入って来るなり、訪れの代りにこう独りで云いながら、負傷者の莚のあいだを通りぬけ、奥の講堂の縁先へ来てまた云った。

「道三どの。手伝おうか」

「やあ、紹巴どのか。