轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

「石狩川」大観堂、1939(昭和14)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 页

青空文庫

まいじゃないか、ずーんと大きい――相手はヨーロッパ州の強国オロシャだ、現地談判に行こうというのだ。生命をすてても棄てがいがある、そうだろう」

いつか話の矛は、安倍誠之助に向っていたのだ。彼は何となくうなずいた。提灯の光りは届かない。ぼんやり白い水面のほのかなあかるみを受け、だが、安倍の動作は見て取れた。混乱したものが彼の胸のなかで徐ろに整理されつつあるのだろう。それはある意味で、彼にとってはさし伸べられたすくいの手であった。新しい世の宣言をきいたあの刹那のひそかな喜びが、枯れないで生きているのだ。否、それは芽を出そうともがいてさえいた。そしてこれが、その探しあてた抜け穴であるかも知れない。あたりの総べてが満足する――そういう無理のない状態でこの話は進んでいる。しかも、今となっては、彼自身の意志如何にかかわらず手はずは進められているのであった。阿賀妻をとおした伊達邦夷の家臣から堀大主典を通じた開拓使の役人と脱皮するのだ。あるいは彼の身体は、ぽいと投げ渡されつつあるのかも知れない。

「世界が相手だ、ふん」と、堀は鼻をならした。それから、ふいにどなるような鋭い声をだして云った。