轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
「石狩川」大観堂、1939(昭和14)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 页
第三章
一
「馬の用意をしとけ」と、誰かの叱咤する声が靄がかった河岸でひびくのであった。川添いの街角をまがった彼らは半分駈けるようにして役所に急いだ。
イシカリ川を渡ったのである。川を渡って、そこはイシカリの街であった。
第三章
一
棟あげの段取りまでにこぎつけたのである。
その倉庫の屋台骨はどこからでも見わけられるような気がした。白い木肌がま夏の陽に映えて、河畔のかげろうのなかで激しく光ったりした。川を隔てたこちらから、遠く見ると、何か神聖な供物のようである。古びた船着き場の屋並のなかに白く屹立していた。
毎朝々々彼らはその川岸に立って眺めやるのであった。厚い霧がほのぼのと薄れかかって、今日は昨日より一段とまとまった骨組みがあらわれて来る。渡し船の来るあいだ、思い思いの恰好で自分の仕事のあとを見入る。彼らは睡い思いも剥ぎ取られた。すがすがしい空気を胸一っぱいに吸いこんだ。すると、みなぎるような勇気が腹の底からわいて来た。
早朝の川風は肌ににじんだ。
近づくそちらの岸辺には、見張り所にとのいした両三人の仲間が出て来ていた。顔が白く、体が黒く、誰が誰とも見わけつかない遠くの方から彼らは手をふって出迎えた。