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いしかりがわ

石狩川

本庄 陸男

「石狩川」大観堂、1939(昭和14)年5月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 页

青空文庫

あとがき

あとがき

おこがましくも作者は『石狩川』の興亡史を書きたいと念願した。川鳴りの音と漫々たる洪水の光景は作者の抒情を掻き立てる。その川と人間の接触を、作者は、作者の生れた土地の歴史に見ようとした。そして、その土地の半世紀に埋もれたわれらの父祖の思いを覗いてみようとした。

昨秋この稿を起し、前半を雑誌『槐(えんじゅ)』に掲載した。後の半分は書き下しである。作者は作中人物と喜怒を共にしているうちに、未だ話は発端なるに拘らず大量の文字をならべてしまった。心ゆくまで書くがよい、と、そう励ましてくれた先輩知友並びに出版元大観堂主人の好意によるものである。一先ず作者はこれを『石狩川』の初編として上梓し、つづいて、これら移住士族のその後の過程を書き進める予定である。大方の叱正を期待する。

昭和十四年四月

本庄陸男