轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
「石狩川」大観堂、1939(昭和14)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 页
その一夜が無事であったこともそれによって知らされた。船のうえにいるものも何となくほッとした。
目鼻だちが見えるところまで近づいてから笑ってみせるのであった。そしてこの一団――シップの開墾小屋から浜づたいの路をやって来た俄か仕立の人夫どもは、与えられた各自の役目を思いだした。大工は鉢巻きをはじめるし、木挽きは鑢の目を舐めてみるのであった。今までのところは鳶と大工と木挽きであった。やがて左官や屋根屋が必要になるだろう。彼らが祖先から受けついで来た武士だけが何の役にも立たなくなったのだ。それでも小脇差を腰につけ、す足に草鞋をはき、着物の尻をはしょってやって来たのである。もはや望みは、手がけた倉庫の出来あがることだけに集中していた。ときには、これさえ完成すれば、今後の一切がうまく回転しだすような幻想さえ持つのであった。
船ははとばの棧により添って行った。はじめにとびあがった男が、綱を担いで引きよせた。舷はぴったり棧にくっついた。けれどもひどく揺れた。先をあらそってとび上るからである。急激に軽くなる川舟は驚いたようにぶいぶいと浮きあがった。
それらの人夫の一番おわりにいたのは女であった。