轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
「石狩川」大観堂、1939(昭和14)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 页
この聚落自身が落ち着きかけていた。末の見込みのない土地であったが野菜や蕎麦も蒔き付けた。
二人の子供が両側から母をつかんでいた。
「それは覚悟しておりましたが」と、彼女は顔をあげずに云った、「――安倍としたことが、何をいたしておるのでございましょう、迎えにまいると申した言葉を信じて、今日か今日かと待っておりましたのに」
「いや、それは」
大野は思いだした。大きな呼吸を吐いて、まッ赤になって、恥じるように云い足した。
「その、――使庁の堀というご仁が、その人が引き受けていたとのこと、先日役所にまいってはじめて知りました、つまり今回仕立てた便船は、その堀監事どのをお送り申すもので、だとするならば」
「そうでございましたか」
動きだした女の気持がいよいよ大野を狼狽させた。そういうことに関する男の無責任さが胸に来たのだ。官員の堀は自分の用で東京に出ていた。そして彼はけろりと忘れていた。もし、こちらがこのことを持ち出さなければ、彼は気づかずに出帆させていただろう。専らカラフトの問題に終始することになった堀には、移住した士族のことは今では用が無くなっていたのである。