轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页
「今からでもいいわ。お張んなさい。きっと、丁方で、受ける方がありますから」
「張ります」
なんだか、ぼうとした気持になって、財布から、一枚の紙幣をつかみだした。それを、前の茣蓙のうえにさしだした。
「ほう、……十円」女は、わざとらしく、おどろいてみせて、「半方の若い兄さんから、猪が出ました。丁方で、どなたか、お合わせになる方はありませんか」
と、一座を見まわした。
「張った」
間髪を入れずにそういって、同じく十円札を出したのは、※であった。
金五郎と、※とは、顔見あわせて、人には通じない、異様な微笑をとりかわした。
「勝負」
もう一度、女は、そういって、ばっと、壺笊をあげた。
「半」
がやがやと、座はひとしきり、ざわめいた。
女は、負けた丁方の賭金を全部あつめ、半方の賭金額に応じて、それを分配した。どんな風に、テラ銭が差し引かれたのか、わからなかったが、金五郎の張った十円には、八円が配当された。
「兄さん、目が出そうだわね」
中盆の女が、二つの骰子を、手のひらで転がしながら、金五郎に笑いかけた。歯が美しい。
「おかげさまで、まぐれ当りいたしました」
急に、かえす言葉が見つからなくて、そんなとんちんかんな返答をした。