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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

顔をしかめる。痛みが博士を苦しめているらしい。

「あ、生きかえったらしいぞ」

「さあ、葡萄酒の番だ」

「よし、ぼくが、のませてやる」

羽黒は、リュックを背中からおろして、さっそく水筒の中に入れている葡萄酒をとりだし、ニュウムのコップについで、博士の口の中へ流しこんだ。

博士は、ごほんごほんとむせた。羽黒はもう二はいのませた。

「ああッ、ありがとう。どなたか知らないが、私を介抱してくだすって、ありがとう」

博士は元気になって、礼をいった。その博士は、目をあいているが、手さぐりであたまをなでまわす。

「おじさんは、目が見えないのですか」

戸山が、たずねた。

「目が見えない? そうです。今は目が見えない。さっき実験をやっているとき、目をやられて、見えなくなったのです。困った。まったく困った」

「おじさんはだれですか」

「私はこの研究所の主人で、谷です。君たちは少年らしいが、どうしてここへ来ましたか。いや、それよりも、もっと早く知りたい重大なことがある。この部屋は、どうなっていますか。器械や実験台などは、ちゃんとしていますか」

谷博士の質問にたいして、少年たちは気のどくそうに、かわるがわる室内の様子を話してやった。