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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

地獄の光景

二人は、どんどん山をおりていった。

地獄の光景

谷博士の評判は、一時大したものだった。それはこの三角岳村が、最新文化都市に生まれかわり、村人の生活が非常によくなったころのことである。

ところが、その後になって、博士の評判は少しわるい方へ引きかえした。

それは博士の作るものが、あまり奇抜すぎたためであった。村人にとって、ものをいう木や、いいつけた用事をしてくれる甲虫や、知らないうちに告げ口をする雀や、歌をうたうのが上手な柱などは、はじめのうちこそふしぎふしぎと手をうって、ほめたたえたけれども、それから時がたつと、そういうものには、どうしても親しめなかった。いや、親しめないばかりか、気味がわるくてならない。村人たちは、うっかりしたことがいえないのだ。いつどこに、スパイのような木や石や小動物がかくれているか知れないのであった。

腰掛に腰をかけて、仲よく二人の人間が話をしていると、その腰掛が、とちゅうで怒ってしまって、あッというまに、腰掛は二人をそこへ尻餅をつかせて、どんどん部屋から逃げていってしまうのだった。

そのかわりべんりなこともあった。さあ、引越しだと主人が命令をすると、家中の道具が、自分で動きだして、移転先の家まで歩いていくのだ。