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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

ダイナマイトの箱

今、ものをいったのはだれだ」

「私だ。なにか用かね」

「君はだれだ」

「私かい。私は私だが、私はいったい何者だろうかね。とにかくあっちへ行こう」

がっちゃん、がっちゃんと、機械人間は、妙なことばを残して、奥の方へ歩みさった。

「だれだい、君は。ちょっと待ちたまえ」

「おじさん。今おじさんと話をしていたのは機械人間ですよ。奥の方へ行ってしまいました」

戸山は、そういって、博士に教えた。

「やっぱり、そうだったか。ふーん、あんな口をきくなんて、とんでもない話だ。奥へ行ったか。それはいかん。奥には大切なものや危険なものがあるんだ。とりわけダイナマイトの箱が積んである。あれをあいつに一撃されようものなら、この研究所の塔は爆風のためにすっ飛んでしまうだろう。君たち、早くわしをあいつの行った方へつれていってくれ」

ダイナマイトの箱

ダイナマイトの箱が積んであるという。

それはたいへんだ。鉄の拳を持っている強力の機械人間が、もしあやまって、そのダイナマイトの箱をぽかんと一撃したら、たちまち大爆発が起こって、建物も人間も岩盤さえ吹きとんでしまうであろう。

(なんだってこのおじさんは、ダイナマイトの箱なんか、たくわえているのだろう)