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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
うそかまことか
足柄警官の方は、抱きついた裸の娘が、しゃがれた男の声を出したので、ますますおどろいて、うしろへさがるばかり。山形警部は、ここで、足柄に逃げられてはたいへんと、ますます力を入れて抱きつく。足柄警官はいよいよあわてる。
が、ようやく山形警部が、「君は、この寒い山の中で裸の娘をいつまでも裸でほうっておくのか。それは人道に反するじゃないか。早く服を探してやらないのか」と、人道主義をふりまわしたので、若き人道主義の足柄警官は、ようやくわれにかえって、すぐ前の農家から借りてくることを約束した。
こんなことがあって、ようやく山形警部は服にありついた。しかしそれは少女の服であった。その農家の、今は嫁入った娘が、小さいとき着ていた服であった。警部は男の服を借りてもらうつもりだったので、そのことを足柄警官にいった。すると足柄は、山形警部を見おろしてにが笑いをしながらいった。
「だって、大人の服は、あなたには大きすぎて、着ても歩けませんよ。ねえ、分かったでしょう、娘さん」
このことばに、山形警部は、うむとうめいてかえすことばを知らなかった。
うそかまことか
足柄警官は、娘にさんざん手をやいて――彼は山形警部が少女姿になったことを、いくど聞いても信じない。