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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
研究塔下の怪奇
超人X号!
これこそ、谷博士が、試作生物にあたえた名まえであった。
「超人X号」は、今ちょうど気をうしなって人事不省になっているようなものであった。もしこの超人に活をいれて、彼をさますことができたとしたら、「超人X号」は、ここに始めてこの世に誕生するわけになる。
もしこの超人を、三千万ボルトの電気によって覚醒させることができなかったら、それで谷博士の試作人造生物X号は、ついに失敗の作となるわけだ。
はたして生まれるか「超人X号」!
それとも、そのようなおそるべき生物は、ついに闇から闇へ葬られるか?
その、どっちにきまるか。
頭上にごうごうどすんどすんと天地をゆすぶる雷鳴を聞きながら、腕組みをした悪鬼のごとき形相の谷博士が、まばたきもせず、ガラス箱の中の人造生物をみつめている光景のすさまじさ。さて、これからどうなるか。
研究塔下の怪奇
これまでに、谷博士は、このような実験に、たびたび失敗している。
七、八、九の三カ月は、とくに雷の多く来る季節である。しかしこの雷は、いつもこの研究所の塔の上を通って落雷してくれるとはかぎらない。また、これがおあつらえ向きに、研究所の上を通ってくれるときでも、それが博士の熱望している三千万ボルトを越す超高圧の雷でない場合ばかりであった。