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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
妖怪博士
その夜、これが始めて役に立ったのである。
その望遠装置を通して、少年たちが見たものは何であったろうか。
それは身の毛もよだつような光景であった。谷博士がまっ裸となり、そして高圧電気の両極の間に逆さにぶらさがって、ものすごい放電を頭にあびせかけているのだった。博士の顔は、赤鬼のようになって輝き、頭髪は一本一本、針山のように逆立ち、博士の全身の筋肉は、蛇のむれのようにひくひくと痙攣しているのだった。
「あッ、おそろしい。ぼくは、もう見ていられないよ」
「なぜだろう。なぜあんなことをされているのだろう。だれが谷博士を、あんな目にあわせているのだろう」
少年たちには、この地獄のような光景が、どうして演ぜられているのか、見当がつかなかった。
妖怪博士
ところが、谷博士は何も悪者のために、こんな恐ろしい目にあわされているのではなかったのである。
広い実験室には、博士のほかに、人一人見えはしなかった。ただ一人の機械人間が、機械の前に立っていただけであった。
しかし、ふつうの人間ならば、百万ボルトの高圧電流を頭にあびては、一分、いや一秒でも、生きていられるはずはないのに、博士は平気で、にたにたと悪魔のような笑いを浮かべているではないか。