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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
宇宙航空船
その時、研究所の屋上からは、ものすごい閃光とともに、緑色の流星のようなものが、まっすぐに中天高くとびあがった。
「おや、あれはなんだ」
「きっとV一号だぜ」
その瞬間、砲撃がばたりとやんだかと思うと、大地もくずれるかと思われる大音響とともに、目もくらむような赤・黄・青・緑・白の五色の光りが研究所を包み、もうもうとしたきのこ形の噴煙が、建物の屋上から、大空高く巨大な翼をひろげたのである。
「なむあみだぶつ、なむあみだぶつ……」
署長は、谷博士、山形警部それから勇敢な五少年の死をいたんで、思わずお念仏をとなえたのだった。
宇宙航空船
ところが、谷博士も、山形警部も、五人の少年も、けっしてこの爆発で最期をとげたわけではなかった。
谷博士は、機械人間の操縦装置が破壊された時、屋上からヘリコプターによる脱出を考えたのである。
ところが、屋上へ来て見たときには博士もすっかりおどろいた。というのは、X号がサルになった谷博士を脳波受信機でいじめながら作っていた、宇宙航空船ができあがって、そこにおかれてあったからだった。
これは、総軽金属製、世界最大の飛行機の二倍も大きく、原子力によるロケット装置で活動し、時速三千キロ、月世界はおろか、火星ぐらいまでなら往復できる、おそるべき性能を持った航空船であった。