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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

時間があれば、ちょっとよって見物したいが、あいにく行く余裕がない。せめてあのすごい塔を、カメラへおさめていこう」

と、写真機を塔へ向ける。

「よし、君が写真をとるあいだ、ぼくは、双眼鏡でちょっくら見物しよう」

一人は八倍の双眼鏡を目にあてて、塔に焦点をあわせる。

「ほほう、双眼鏡で見ると、いよいよすごい塔だ。……おや、あの塔にだれかいるね。人間がひとり、塔の中を歩いているよ」

双眼鏡の男が、そういう。すると案内人がぴくんと肩をふるわせた。

「だんな、ほんとうですかい。ほんとに人間があの塔の中にいますか」

「いるとも。ちゃんと見える」

「はて、何者かしらん。このあたりの衆はだれひとり近づかないはず。だんな、その人はどんな姿をしていますか」

「ちゃんと服を着ているよ。頭のところに白い布で鉢巻きをしている。鉢巻きではなくて繃帯かもしれんが……。ちょいと君、これで見てごらん」

そこで案内人は、双眼鏡を貸してもらって目にあてた。ようやく視野に、その疑問の人物がはいって来た。

「やあ、あれは谷博士さまだ。博士さまは、ご無事だったのけえ」

「幽霊かもしれんよ」

「待った、だんな。