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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
この地階は、かねて谷博士が、だれにもじゃまをされないように、秘密に作ったもので、実験室も特別にこしらえてあり、居間や寝室や料理をつくるところや、浴室なんかも、ちゃんとできていて、この最地階だけでも、不自由なく実験をしたり起きふしができるようになっていた。しかもこの最地階へおりる入口は、極秘中の極秘になっていて、博士以外の者には分からないはずだった。
それは、その一階上にある図書室の奥の外国の学術雑誌の合本を入れてある本棚を、開き戸をあけるように前へ引くと、その本棚のうしろは壁をくりぬいてあって、そこには地階へおりる階段が見える、これが秘密通路だった。
谷博士だけしか知らないこの秘密通路をX号はちゃんと知っていた。なにしろX号はなかなかするどい観察力を持っていたから、いつのまにか、この秘密通路や、その下にある秘密の部屋部屋を見つけてしまったのであろう。
X号は博士の世話を、ほかの者にはさせず、みんな自分がした。
博士は、病院から連れだされるとまもなく、この誘拐者がX号であることを知って、おどろいた。
博士は、それ以来、X号にさからわないようにつとめた。