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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
王はこの申出でを委員会に附託したが、委員たちはコロンブスを夢想家として斥け、王も彼を熱狂的なお喋舌と見たらしい。香料の国への近道という点のみから云えば、この判断は誤まっていなかったのである。
翌一四八四年にコロンブスは妻を失った。それを機会に彼はポルトガルを去ってスペインに移り、そこで有力な保護者を見出すことが出来た。遂に一四八六年、大司教メンドーサの紹介によって女王イサベラに謁見し、廷臣として迎えられた。彼の抱懐している計画はサラマンカ大学に於て審査を受けたが、香しくなかった。彼はコスモグラフィーの典拠によって主張するに留まらず、聖書の句などを引いてかなり狂信的なことを述べ、神学者たちをさえ驚かせたのである。結局一四九一年に至って審査が決定し、彼は婉曲に拒否された。これもサラマンカ大学としては当然の処置であったであろう。天文学的、コスモグラフィー的な計算や推論と、古典や聖書の中にある予言或はその索強附会の解釈との、不思議な混合に対しては、学問の立場から是認することは出来なかった筈である。彼の後の成功は彼の計画が学問的に正しかったからではなかった。