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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
第十章 京都の新会堂『昇天の聖母』の建立
一 新会堂の計画とその主動者たち
この言葉には、フロイスの信長にかけていた希望が鳴り響いているように思われる。
第十章 京都の新会堂『昇天の聖母』の建立
一 新会堂の計画とその主動者たち
一五七三年を境として信長の地位は非常に強固なものになったが、しかし彼を包囲する敵の勢力はなお残っていた。東からは信玄の歿後嗣子の勝頼が信長を襲おうとしている。西の方では本願寺が反信長の勢力を糾合し、北方の越前の一向一揆を活気づけている。一五七四・五年の頃はこれらの敵対勢力の処理に忙がしかった。が一五七四年には伊勢長島の一向一揆を全滅させ、一五七五年には長篠の合戦で巧みな鉄砲戦術により武田の精鋭を壊滅させたのみならず、北の方越前へ攻め込んで本願寺一揆を平定した。こうして一五七六年以後は、石山の本願寺とその与党とを討滅することが、唯一の問題として残ったのである。
その一五七六年の初めに、信長は近江の安土に城を築いてそこへ移った。それは同時に、中世的な種々の特権組織から解放された近世的な都市の建設の開始でもあった。信長の政治家としての才能はここで顕著に現われてくる。後に秀吉が大坂を、家康が江戸を作ったのは、いずれも信長の安土経営に学んだものである。