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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
六 ペルーの発見
一五三五年から一五三七年にかけては自ら乗り出して見たが、カリフォルニア湾を北上しただけで、得るところはなかった。新スペイン副王は遂に爾後の探検を禁じた。それを憤ったコルテスは王の裁決を請うべく一五四〇年に再び本国に帰ったが、王は冷淡で埒があかず、愚図愚図しているうちに、一五四七年十二月、六十三歳にして歿した。彼の歴史的な意義は二十五年前のメキシコ征服を以て終っていたのである。
六 ペルーの発見
華々しいメキシコ征服が刺戟となってその後間もなく惹き起されたのがペルー征服の事業である。そうしてその主役は前にオヘダ及びバルボアの探検に際して登場したフランシスコ・ピサロなのである。
ピサロはコルテスの母方の一家の出で同じエストゥレマドゥラ州に生まれ、コルテスよりは数年或は十数年の年長であったらしい。庶子であった為にひどい取扱いを受け、読み書きさえも教えられなかった。豚の番人か何かをしているうちに新世界への冒険熱にかぶれて故国を後にしたのであるが、その際彼ほど残り惜しさを感じなかったものはなかろうと言われている。同じ代表的な征服者でも、サラマンカ大学に学んだコルテスと文字さえ読めぬピサロとの相違は、やがて事業の上にはっきり現われてくるのである。