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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
四 フロイス岐阜に信長を訪う
翌日未明には小西隆佐とその一子がフロイスに伴って出発し、坂本で知人の家を宿に世話した。その子はロレンソの来るまで附添っていた。ロレンソは越水城で惟政に会い、日乗の返書を見せた。惟政は微笑しながら、この法螺吹きの首を斬ってやる、と云った。フロイスの岐阜行きについては、自分が案内したいのであるが急には間に合わない、と残念がりながら、二通の紹介状を与えた。一は秀吉にあてて神父のとりなしを依頼したもの、他は岐阜の宿屋の主人に宛ててフロイス一行の世話を頼み、費用万端は自分が引受けると云い送ったものであった。他に丁度美濃へ行こうとしていた柴田勝家にも庇護を依頼した。ロレンソは右の紹介状を携えて小西隆佐と共に六月三日に坂本についた。そこでフロイスの一行は夜の三時に船で坂本を出発した。
四 フロイス岐阜に信長を訪う
岐阜は当時人口一万位に過ぎなかったが、新興の城下町として、「バビロンの雑沓」を思わせるほどに、商人や商品で混雑していた。フロイスの着いた時には、秀吉は尾張に行って居らず、佐久間信盛、柴田勝家もまだ着いていなかったので、二日ほど空しく待っていた。その内に先ず着いたのは佐久間、柴田の両人で、フロイスはそれらの人たちに会った。