轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さこく

鎖国

和辻 哲郎

日本の悲劇

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页

青空文庫

着いてから確かめて見ると、十五日前は国主は謀叛の嫌疑のある大身十三人の家を焼きその一族を滅したとのことであった。その謀叛人らは三年前ガゴが府内に落ちついた時の謀叛の残党であったらしい。一夜のうちに双方で七千人の人が死に、国主は府内から七里の島か山かに遁れていた。国内にはまだ戦争の懼れが充ちていた。その不安のなかで宣教師たちが少しも死を怖れず伝道に熱中している姿を見て、ヌネスは「自分を恥じた」と云っている。がこのような現前の不安状態のみでなく、彼はまたトルレスから山口の戦乱やそこの教会の没落の話を聞かねばならなかった。この「善き老人」トルレス、日本人に適応するために肉食を捨てて乏しい菜食に甘んじているトルレス、迫害と戦乱とに堪え忍んで漸く築き上げた教会を今や悉く失い去ったトルレス、この徳と克己とに於て完全な、模範的なトルレスを見て、インド管区長ヌネスは、その堪えぬいた試煉の大いさに驚嘆したのであった。そのほかに彼は、シャビエルの通弁をして歩いたフェルナンデスから、シャビエルが日本において如何に多くの苦難に堪え忍んだかをも聞いた。しかしそういう苦難や戦乱の不安などは、この管区長には不向きであった。