轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さこく

鎖国

和辻 哲郎

日本の悲劇

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页

青空文庫

そうして四日目に漸く微風が出たので福田のあたりまで逃げた。このまま逃げられれば晴信の面目は丸潰れである。長崎奉行は晴信の攻撃が手ぬるいと非難し、晴信はそれを口惜しがって、「奉行を斬り長崎を焼いて自殺する」と云ったほどであった。幸いまた風が落ちて、船が動かなくなった。有馬の船隊は船にやぐらを作りその前面に生皮を張って銃撃のなかを突進して行った。この肉迫戦の間に防禦側の投げた焼弾で火が帆布に移り盛んに燃え出した。ペッソアは火薬庫に火をつけろと命じて海へ飛び込んだ。火薬の爆発と共に船はひっくり返って沈み、ペッソア以下は死んだ。これでようやく晴信はその面目を保ったのである。

この事件は勿論面倒な外交問題を引き起したが、またキリシタン大名有馬晴信の没落の因ともなった。長崎奉行の配下であった岡本大八が、右の焼打事件の恩賞を周旋すると称して、晴信から再三賄賂を取ったのである。それが露見して捕えられると、今度は大八が晴信の逆心を訴えた。長崎奉行を斬り長崎を焼くといった晴信の興奮した言葉を云い立てたのである。結局大八は火刑、晴信は流罪次いで切腹となったが、その処刑は一六一三年の禁教令の直前で、大八、晴信、いずれもキリシタンであった。