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「やまとみんぞく」とはなんぞや

先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選

喜田 貞吉

喜田貞吉『先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「日本民族」とは何ぞや、「ケット」と「マット」、奥羽地方のシシ踊りと鹿供養、火葬と大蔵、くぐつ名義考、国栖の名義、国号の由来、時勢と道徳観念、周防石城山神籠石探検記、炭焼長者譚、長吏名称考、憑き物系統に関する民族的研究、手長と足長、道鏡皇胤論について、間人考、人身御供と人柱、法隆寺再建非再建論の回顧、本州における蝦夷の末路、オシラ神に関する二三の臆説、サンカ者名義考。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,063 字 · 389 页

青空文庫

さてその牛蒡種の本場だと云わるる上宝村は、さすがに山間の飛騨だけあって、面積は非常に広く、東西約九里二十町、南北七里十町にも及び、他の国の普通の一郡よりもまだ大きい程である。されば人民住居の村落は、やっと高原川及びその支流の双六川・蔵柱川に沿うて、散在しているに過ぎないという有様で、そこには天狗住居の伝説も存し、昔の人の目から見れば、全く物凄い魔界の山村なのであったのである。したがってそこにはすこぶる古い風習も少からず遺っていたと見えて、斐太後風土記によると、新甞とも云うべき早稲食饗や、茅輪潜と云って、氏子一同氏神の社に詣で、藁で作った輪を潜って、後をも見ずして走って帰るという奇態な神事もあったという。また氏神には白山社が甚だ多い。これはひとり上宝村のみに限った訳ではなく、飛騨一体にその信仰は盛んならしいが、特に野崎君の報告に、全部落ことごとくこの家筋だと噂されるという双六谷には、部落内の七社の氏神がことごとく白山社である趣きに後風土記には見えている。加賀の白山は言うまでもなく天狗の本場である。したがってこの事実は、この地の天狗伝説と相啓発して、所謂牛蒡種の性質を考える上において、最も注意すべき材料だと思う。