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「やまとみんぞく」とはなんぞや
先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選
喜田 貞吉
喜田貞吉『先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「日本民族」とは何ぞや、「ケット」と「マット」、奥羽地方のシシ踊りと鹿供養、火葬と大蔵、くぐつ名義考、国栖の名義、国号の由来、時勢と道徳観念、周防石城山神籠石探検記、炭焼長者譚、長吏名称考、憑き物系統に関する民族的研究、手長と足長、道鏡皇胤論について、間人考、人身御供と人柱、法隆寺再建非再建論の回顧、本州における蝦夷の末路、オシラ神に関する二三の臆説、サンカ者名義考。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,063 字 · 389 页
五 日の本という語
五 日の本という語
「日出処」はすなわち「日の本」である。日の本は東方を意味する語で、本来はそれよりも以西にある地方の住民が、東方日出処を指して呼んだ語でなければならぬ。何となれば、自身その地に住するものにとっては、それが世界の最東にあり、他より見て所謂日の本に相当するものであるとしても、その地に在ってはさらにその東方に日出処の存在を認むべき筈で、したがって自己の住処を以て、自ら日の本なりと称したとは思われぬ。されば我が中世の語には、当時の地理上の知識において、我が邦の最東に在りと認めた奥州を以て、日の本と呼ぶ例であった。かの最明寺時頼の著と俗称する人国記に、「陸奥は日の本故に、色白うして眼青みあり」とあるのはこれである。古く既に平安朝初期の新撰姓氏録上表の文にも、奥州のことを「日出之崖」とある。鎌倉時代から室町時代にかけて、奥州津軽地方を占領し、北方に雄視した安東氏が日の本将軍と呼ばれたのも、また奥州すなわち日の本の義から取った名称であるに他ならぬ。また豊臣秀吉が小田原城攻囲の際、天正十八年五月一日附けを以て、その妻すなわち大政所へ遣わした消息には、「小たはらの事はくわんとう(関東)ひのもと(日の本)までのおきめにて候まゝ、ほしころしに申付くべく候」