轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

07 第七分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,903 字 · 400 页

青空文庫

その喬木を指して、

本能寺の森

ともいい、また、

さいかちの藪

とも称んで、東寺の塔ほど、よい目じるしになっていた。

その高い梢が夕日に染まるたび、きまってたくさんな鴉が一しきり噪ぎぬくのだった。たけた人々がいかに潔癖に雅やかを守っても、夜の野良犬と夕方の鴉と朝の牛の糞だけは除かれなかった。

もっともそれが今の京都をあらわしている文化の横顔といえるかも知れない。本能寺そのものも、外観はできているようだが、内部にはまだ多くの空地を残していた。天文年間の焼亡以前にはあったという二十坊舎の輪奐の美を完成するにはなお多大な普請を要するし、現に建築中の部分もあった。

また、外の本能寺界隈を見まわしてもそうである。惣門前通りから四条の方へ寄った往来は、所司代の第宅もあり、武家の小路もあり、町も整って、都らしくなるが、北側の錦小路あたりは、今なお整理されない貧民窟が、室町の世頃をそのまま、島のように残っていて、そこの狭い往来などは、いまもってむかしの呼名の「尿小路」で通っている。

宇治拾遺にいう

清徳トイウ聖アリケリ、多食ノ人ナリ、四条ノ北ナル小路ニ、シ散ラシケレバ、下司ナドモ穢ナガリ、尿小路トツケタリケルヲ――